Google検索結果の削除依頼の申請方法!日本で忘れられる権利
多くの方が、プライバシー侵害や、個人情報漏洩に繋がる情報が検索結果に出てしまい、Google 検索上からの情報の削除を求めています。個人情報から過去の問題、プライベートな内容、リベンジポルノ(画像)などがあるが、その削除の方法が複雑かつあまり知られていないため、解説します。
目次
Google検索結果の削除依頼の申請方法(個人情報等)
個人情報を削除する場合と、名誉毀損と考えられる内容の削除をする場合とで、窓口が異なります。
個人情報の削除URL
銀行口座の口座番号、クレジットカード番号、手書きの署名の画像など、個人情報として削除が必要なものは、こちらから削除申請が可能です。
「Google からの情報の削除」
https://support.google.com/websearch/troubleshooter/3111061?hl=ja
例えば、「一部の個人情報または晒し行為のコンテンツをGoogle検索から削除する」場合には、そのリンクをクリックすると、次の画面に遷移します。
「削除リクエストを開始する」をクリックします。
「Google検索結果とウェブサイトに表示」を選択します。
サイトのウェブマスターに連絡しましたか?の回答を選択します。
ここでは「いいえ、連絡したくありません」を選択します。
「個人情報(ID番号や非公開ドキュメントなど)」を選択します。
「住所、電話番号、メールアドレスなどの連絡先情報」をここでは選択してみます。
すると、申請フォームが表示されます。
下記の情報を入力していきます。
- コンテンツは現在公開されているか
- 連絡先情報が晒し行為を目的として公開されているか
- 氏名
- 代理人の氏名(代理人による報告の場合)
- 代理人としてこのリクエストを送信する場合は対象者との関係
- 居住国
- 連絡先メールアドレス
- コンテンツが表示されているウェブページのURL(最大1,000行)
- Google検索結果ページのURL(最大1,000行)
- スクリーンショット(ファイルを選択する)
- 検索結果にコンテンツが表示される検索語句(最大10,000行)
- 補足事項
- 署名
そして、「送信」します。
すると、Googleから受領した旨のメールが届きます。Googleはそのリクエストを評価・審査します。必要に応じてより詳細な情報を求めてくるケースもあります。
Googleが対応を行うと、そのURLは削除されます(一部のこともあります)。
プライベートな過去の内容の削除URL
一方、その他、個人にまつわる情報を削除するケース(プライベートな過去の内容、名誉毀損など)はこちらから削除申請が可能です。
「法的な理由でコンテンツを報告する」(動画あり)
https://support.google.com/legal/answer/3110420?hl=ja
こちらから、「リクエストを作成」→「Google からコンテンツを削除する」
へ移動。
「どの Google サービスに関連する申し立てですか?」から、削除したい内容が掲載されているサービスを選択する。
ここでは、「Google検索」を選択。
「どのプロダクトに関連するリクエストですか?」が表示されるので、ここでは「Google検索」を選択。
「お調べになりたいことを入力してください。」と表示されます。
ここでは、「個人情報」を選択します。
「以下の中から選択してください。」と表示されます。
ここでは、「名誉毀損」を選択します。
※「忘れられる権利」は、後述のように日本国内では現時点では申請が難しいです。
すると、「リクエストを作成」というリンクボタンが表示されますので、クリックします。
「法律に基づく削除に関する問題を報告する」というページが表示されます。
必要な情報を入力します。
注意:「私は、虚偽の申告をした場合には偽証罪に問われることを認識したうえで、この通知に記載する情報が正確であること、およびこの違反の疑いを報告する権限があることを誓います。」という内容が表示されており、同意する必要があります。
- 居住国
- 戸籍上の姓名
- 会社名
- (法定代理人の場合の)企業や組織の名前
- 連絡先メールアドレス
- 権利侵害にあたるとお考えのURL(複数入力できます)
- 違法であると考える理由について
- 権利を侵害していると思われるテキスト
- 情報が正確であることに対する同意
- 署名
そうすると、Google からメールが届きます。 下記、サンプル:
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Google へご連絡いただきありがとうございます。 お送りいただいた法的な問題に関するご連絡を受領いたしました。Google では、そのようなご連絡を毎 日多数受領しており、お送りいただいたメッセージは対応すべき案件として処理待ちの状態になっておりま す。
処理ができる状態になり次第、できるだけ早く対応いたします。 非常に多くのご連絡があることから、お送りいただいた内容が有効かつ対処可能な法的な申し立てである 可能性があると判断した場合にのみ返信を差し上げますので、あらかじめご了承ください。
またご連絡の内 容をより適切に理解するための質問や追加の情報提供依頼をお送りすることがあります。
Google の利 用規約についての詳細は、https://www.google.com/accounts/TOS?hl=ja をご覧ください。 お送りいただいた内容についてお調べする間、しばらくお待ちくださいますようお願い申し上げます。 ご理解のほどよろしくお願いいたします。
Google チーム
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削除申請が成功した場合
しばらく時間はかかるでしょうが、検索結果から除外されるケースがあります。
(Google が認めた場合の み) Google 検索上から情報が削除されると、下記のような形で表記されることがあります。
※注)現在、ChillingEffects.orgではなく、LumenDatabase.orgに引き継がれているため、表記も「LumenDatabsse.org」になっています。また、時間が経つとこの表示も消えるようです。
このようにすることは可能です。 ただし、全ての削除申請が通るわけではありません。
削除申請が失敗した場合
下記、認められなかった場合の Google からの返答のサンプル:
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Google へご連絡いただきありがとうございました。
Google は、既にウェブ上に公開されている情報を集約しているに過ぎません。対象のページを Google のインデックスから削除したとしても、そのページは引き続きウェブ上に残ります。
Google のロボットは、数 週間ごとにウェブをクロールしてコンテンツを検出します。ウェブマスターは、Google のロボットをブロックする コードをページ内に入れることで、ページが Google の検索結果に表示されないようにすることや、該当コ ンテンツを問題となっているページ上から削除することで、ページ上に表示されないようにすることができます。
従いまして、この問題についてはウェブマスター、コンテンツを投稿したユーザー或いはサービスプロバイダに 直接連絡をとって解決される事をお勧めします。
サイトのウェブマスターに変更をリクエストする方法につい ては https://support.google.com/websearch/answer/9109?hl=ja をご覧ください。ウェブマ スターとの間で問題を解決することが困難である場合はご連絡ください。 以上よろしくお願いいたします。
Google チーム
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削除申請が成功しても油断大敵!注意点解説
Google に申し立てをして検索結果から除外してもらっても、Lumen により、削除申請者の情報が掲載されるケースがあります!
※注)先述のように、ChillingEffects.orgではなく、現在はLumenDatabase.orgとなっています。
リンクをクリックすると、Lumen のサイトに移動します。
すると、申請した時の情報(名前は編集されますが、会社名や代理人名、メールアドレスなどもろもろ)が表示されています。
このページを見つけることは、簡単ではありませんが、Lumenの検索エンジンで検索することで、見つけられてしまうこともあります。
備考:かつてChilling Effectsの時は、うまくいけば、下記のようなページとなり、情報の閲覧が出来ず、情報を隠すことに成功するケースもありました。 (一つ目は Not Found、二つ目は情報が出てくるパターン。)
(情報が公開されるケース)
個人情報を消したくて申請したのに、実名が掲載されたまま放置され、返って炎上してしまい、元も子もない状態になるケースもあるようです。
Google に申し立てをして検索結果から除外してもらっても、Lumen Databaseにより、削除申請者の情報が丸見えになることがあるので気をつけましょう。
Googleで削除申請をしても、(当時の)Chilling Effectsのサイトに掲載されてしまい、せっかくGoogleの検索結果から除外してもらっても、Chilling Effectsのサイトに残り続けることで、返って削除申請者の個人情報が丸見えになり、消したくても消せない状況に陥って、返って逆効果になったという苦情を、Google のプロダクトフォーラムに投稿している方が多数いることがわかっています。
Google と Chilling Effects の間でたらいまわしにされたあげく、個人情報が残ったままというケースです。
2017年頃から、Chilling Effectsに代わってLumen(https://lumendatabase.org/)
と呼ばれる第三者のプロジェクトサイトに、情報がGoogleから共有されるようになりました。
DMCA、著作権や商標などに関する削除リクエストについては、リクエストを行った個人の名前や権利者の名前なども公開されます。
しかし、名誉毀損に関するリクエストについては、「通常は」個人の名前をLumenに共有されることはないようです。
ただし、下記の内容が共有されることになっています。
- ・リクエストの種類(名誉毀損)
- ・報告されたURL
- ・リクエスト元の国
- ・リクエストが行われた日付
- ・当該リクエストの裏付け資料として提出された文書(機密文書を除く)
- ・削除リクエストフォームに記載されている当該リクエストの説明(ただしメールアドレスなどの個人情報が含まれている場合は、共有に先立って編集されます)
引用)https://support.google.com/legal/answer/12158374?hl=ja
ただし、例外として、情報の共有に高い公益性が認められる場合などでは、個人の名前がLumenに共有されてしまうこともあるようですし、申請の仕方によっても記載内容がそのまま共有されてしまうこともあるようです。
実際、メールアドレスや氏名などが掲載されているLumenのページを確認することができます。
ですから、Googleへの削除申請は、入念に行いたいものです。
「忘れられる権利」の行使関連情報
ヨーロッパでは法律的に(欧州データ保護法)Google に対して削除を要請することが出来ます。
しかし、日本はじめ他国では Google は対応を拒否しているのが現状です。
どのような内容の URL が削除されているかの情報があります。
Google’s Data
On the Right to be Forgotten
https://sytpp.github.io/rtbf/index.html
2014年5月にEUの欧州司法裁判所(日本の最高裁に相当)が下した判決「私人は個人情報に関する検索結果の削除をGoogleに要求できる」を受けて、Googleは検索結果を残すことが公益に資すると認められない場合は削除を余儀なくされました。
Googleはここ数年間の統計を公開しており、Googleに寄せられた削除要請は約128万件、そのうち削除されたURLは全体の約49%です(2014年5月28日から2022年6月13日現在まで)。
欧州のプライバシー法に基づくコンテンツの除外リクエスト
https://transparencyreport.google.com/eu-privacy/overview?hl=ja
ヨーロッパに関しては、透明性レポートが公開されており、どういったケースで URL が削除され、またされないのかがわかります。
また、削除されたURLを多く含むドメイントップ10には、FacebookやTwitterなどのSNSだけでなく、YouTubeといった大手動画サイトも含まれています。動画発信者の増加に伴い、コメント欄に誹謗中傷を書き込むユーザーも増えていることを表しているのかも知れません。
「知る権利」「言論の自由」との兼ね合いから、必ずしも削除されるとは限りませんが、個々の事案に応じてGoogleはきちんとした対応を迫られていることは確かなようです。忘れられる権利に基づく削除は今後EUだけでなく広まっていくことが期待されます。
合わせて、Googleサジェストの削除申請、関連キーワードの削除申請は相当数に上ると推測します。忘れられる権利との明確な指針がでてくれば、対処法が確立されてくるでしょう。
何年前のデータなら忘れられる権利が主張できるのか?といった法整備は今後の議論になるかと思いますが、EUの場合、16年前の事件であったことを考えると、そのあたりが基準となるのかもしれません。
よくある質問
日本でもGoogle検索結果から削除できるの?
結論から申して、日本でもGoogle 上から情報の削除は可能です。
しかし、問題が3 点あります
- 検索結果から削除されるため、通常閲覧数は激減する。但し、情報管理者(コンテンツ保持者)が削除しない限り、URL にアクセスすればまだ見られてしまい。転載も可能。根本的解決とまではならない。
- Google が必ずしも削除要請に応じるとは限らない。
- Lumenというサイトに、削除した形跡が残り、更にそこに個人情報が残るため、「炎上」するケースもある。参考(https://lumendatabase.org/)
日本でGoogleは検索結果の削除に応じるか?
この手順で、googleは欧州ではだいぶ検索結果の削除に応じるようになりましたが、日本版(ドメインがgoogle.co.jp)ではまだ応じにくい状況です。
現状、実情は、日本で裁判外での検索結果の削除に応じるのは著作権侵害、リベンジポルノ位が主流です。(誹謗中傷も一部認める)
著作権侵害については、Lumen以外に、Googleの透明性レポートでも見ることができます。
著作権問題によるコンテンツの除外
https://transparencyreport.google.com/copyright/overview?hl=ja
このページのなかばにある、「データを探す」という検索窓から、著作権の除外リクエストについて検索することができます。
著作権者の表示から、該当のリンクを辿っていけば、その人(企業)がリクエストした申請何件のうち何件が対応され、削除されたのかもわかります。
裁判をすれば、削除される可能性はありますが、米国法人Google.Incが相手方であり、米国から法人の資格証明を取り寄せて申立書を英訳して米国に発送する必要があります。
また、検索結果の削除に関しては、一点の基準が存在し、ハードルが高くなっていることは理解しておくべきでしょう。