Google検索結果の削除依頼の申請方法!日本で忘れられる権利

多くの方が、プライバシー侵害や、個人情報漏洩に繋がる情報が検索結果に出てしまい、Google 検索上からの情報の削除を求めています。個人情報から過去の問題、プライベートな内容、リベンジポルノ(画像)などがあるが、その削除の方法が複雑かつあまり知られていないため、解説します。
目次
日本でもGoogle検索結果から削除できるの?
EUでも忘れられる権利が認められ、検索結果から削除命令が出されたのが有名です。
しかし日本でも同じようにできるか?という疑問が生じます。
結論から申して、日本でもGoogle 上から情報の削除は可能です。
しかし、問題が3 点あります
- 検索結果から削除されるため、通常閲覧数は激減する。但し、情報管理者(コンテンツ保持者)が削除しない限り、URL にアクセスすればまだ見られてしまい。転載も可能。根本的解決とまではならない。
- Google が必ずしも削除要請に応じるとは限らない。
- Chilling Effects というサイトに、削除した形跡が残り、更にそこに個人情報が残るため、「炎上」するケースもある。参考(https://chillingeffects.org/)
それ以外にも制限や、欧州との対応の差などもありますので、詳細に解説していきます。
検索結果削除申請手順(個人情報等)
個人情報の削除URL
銀行口座の口座番号、手書きの署名の画像など、個人情報として削除が必要なものは、こちらから削除申請が可能です。
「Google からの情報の削除」 https://support.google.com/websearch/troubleshooter/3111061?hl=ja
プライベートな過去の内容の削除URL
一方、その他、個人にまつわる情報を削除するケース(プライベートな過去の内容など)は、こちらから削除申請が可能です。
「法的な削除リクエスト」(動画あり)
https://support.google.com/legal/answer/3110420?hl=ja&rd=2
こちらから、「法的リクエストを送信する」→「ウェブ検索」を選択する。
「Google からコンテンツを削除する」
https://support.google.com/legal/troubleshooter/1114905?rd=1/troubleshooter/1 114905&vid=1-635774496123510027-68496969#ts=1115655
「Google 検索結果から個人情報を削除したい」
を選択します。
「Google の検索結果に名誉棄損にあたるコンテンツを見つけた」 を選択します。
すると、リンクがでますので、クリックすると、下記の画面が表示されます。
注意:署名が必要ですが、虚偽の署名をすると賠償を求められるケースがあると書いてあるようです。
必要な情報を入力します。
- 居住国
- 氏名
- 会社名
- 連絡先メールアドレス
- 権利侵害となりコンテンツ情報(URL等)
- 署名
そうすると、Google からメールが届きます。 下記、サンプル:
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Google へご連絡いただきありがとうございます。 お送りいただいた法的な問題に関するご連絡を受領いたしました。Google では、そのようなご連絡を毎 日多数受領しており、お送りいただいたメッセージは対応すべき案件として処理待ちの状態になっておりま す。
処理ができる状態になり次第、できるだけ早く対応いたします。 非常に多くのご連絡があることから、お送りいただいた内容が有効かつ対処可能な法的な申し立てである 可能性があると判断した場合にのみ返信を差し上げますので、あらかじめご了承ください。
またご連絡の内 容をより適切に理解するための質問や追加の情報提供依頼をお送りすることがあります。
Google の利 用規約についての詳細は、https://www.google.com/accounts/TOS?hl=ja をご覧ください。 お送りいただいた内容についてお調べする間、しばらくお待ちくださいますようお願い申し上げます。 ご理解のほどよろしくお願いいたします。
Google チーム
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削除申請が成功した場合
しばらく時間はかかるでしょうが、検索結果から除外されるケースがあります。
(Google が認めた場合の み) Google 検索上から情報が削除されると、下記のような形で表記されることがあります。
このようにすることは可能。 ただし、全ての削除申請が通るわけではありません。
削除申請が失敗した場合
下記、認められなかった場合の Google からの返答のサンプル:
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Google へご連絡いただきありがとうございました。
Google は、既にウェブ上に公開されている情報を集約しているに過ぎません。対象のページを Google のインデックスから削除したとしても、そのページは引き続きウェブ上に残ります。
Google のロボットは、数 週間ごとにウェブをクロールしてコンテンツを検出します。ウェブマスターは、Google のロボットをブロックする コードをページ内に入れることで、ページが Google の検索結果に表示されないようにすることや、該当コ ンテンツを問題となっているページ上から削除することで、ページ上に表示されないようにすることができます。
従いまして、この問題についてはウェブマスター、コンテンツを投稿したユーザー或いはサービスプロバイダに 直接連絡をとって解決される事をお勧めします。
サイトのウェブマスターに変更をリクエストする方法につい ては https://support.google.com/websearch/answer/9109?hl=ja をご覧ください。ウェブマ スターとの間で問題を解決することが困難である場合はご連絡ください。 以上よろしくお願いいたします。
Google チーム
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削除申請が成功しても油断大敵!注意点解説
Google に申し立てをして検索結果から除外してもらっても、Chilling Effects により、削除申請者の情報が丸見えになることがあります!
リンクをクリックすると、Chilling Effects のサイトに移動します。
うまくいけば、下記のようなページとなり、情報の閲覧が出来ず、情報を隠すことに成功します。 (一つ目は Not Found、二つ目は情報が出てくるパターン。)
(情報が公開されるケース)
しかし、個人情報を消したくて申請したのに、実名が掲載されたまま放置され、返って炎上してしまい、元も子もない状態になるケースもあるようです。
Google に申し立てをして検索結果から除外してもらっても、Chilling Effects により、削除申請者の情報が丸見えになることがあるので気をつけましょう。
著者が調査した限りでは、著作権の侵害の申し立てのケースで、Chilling Effects に削除申請者の個人情報が丸見えになり、消したくても消せない状況に陥って、返って逆効果になったという苦情を、Google のプロダクトフォーラムに投稿している方が多数いることがわかっています。
(参考)https://productforums.google.com/forum/#!msg/websearch-ja/ucHmqPXzSkI/lNQJux-wafYJ
Google と Chilling Effects の間でたらいまわしにされたあげく、個人情報が残ったままというケースです。
「忘れられる権利」の行使関連情報
ヨーロッパでは法律的に(欧州データ保護法)Google に対して削除を要請することが出来ます。
しかし、日本はじめ他国では Google は対応を拒否しているのが現状です。
どのような内容の URL が削除されているかの情報が Google から漏れています。
https://sytpp.github.io/rtbf/index.html
2014年5月にEUの欧州司法裁判所(日本の最高裁に相当)が下した判決「私人は個人情報に関する検索結果の削除をGoogleに要求できる」を受けて、Googleは検索結果を残すことが公益に資すると認められない場合は削除を余儀なくされました。
Googleはここ半年間の統計を公開しており、Googleに寄せられた削除要請は約20万件、そのうち削除されたURLは全体の約40%です。EU諸国の中ではフランス(48.4%)、ドイツ(49.2%)などが削除割合が高いようです。
ヨーロッパに関しては、透明性レポートが公開されており、どういったケースで URL が削除され、またされないのかがわかります。 https://www.google.com/transparencyreport/removals/europeprivacy
41%程度は削除に応じているようです。(2015.9.25時点)
また、削除されたURLを多く含むドメイントップ10には、FacebookやGoogle+などのSNSだけでなく、Youtubeといった大手動画サイトも含まれています。動画発信者の増加に伴い、コメント欄に誹謗中傷を書き込むユーザーも増えていることを表しているのかも知れません。
「知る権利」「言論の自由」との兼ね合いから、必ずしも削除されるとは限りませんが、個々の事案に応じてGoogleはきちんとした対応を迫られていることは確かなようです。忘れられる権利に基づく削除は今後EUだけでなく広まっていくことが期待されます。
合わせて、Googleサジェストの削除申請、関連キーワードの削除申請は相当数に上ると推測します。忘れられる権利との明確な指針がでてくれば、対処法が確立されてくるでしょう。
何年前のデータなら忘れられる権利が主張できるのか?といった法整備は今後の議論になるかと思いますが、EUの場合、16年前の事件であったことを考えると、そのあたりが基準となるのかもしれません。
日本でGoogleは検索結果の削除に応じるか?
この手順で、googleは欧州ではだいぶ検索結果の削除に応じるようになりましたが、日本版(ドメインがgoogle.jp)ではまだ応じにくい状況です。
現状、実情は、日本で裁判外での検索結果の削除に応じるのは著作権侵害、リベンジポルノ位が主流です。(誹謗中傷も一部認める)
裁判をすれば、削除される可能性はありますが、米国法人google.Incが相手方であり、米国から法人の資格証明を取り寄せて申立書を英訳して米国に発送する必要があります。
google.Incは日本人弁護士が裁判に出席して争ってくるので、手間がかかります。
また、検索結果の削除に関しては、一点の基準が存在し、ハードルが高くなっていることは理解しておくべきでしょう。