フランス最高裁の判決!「Googleサジェスト」名誉毀損に当たらない

フランスの最高裁にあたる破毀院が、Googleのサジェスト機能によって名誉を毀損されたという訴えを退けた事例があります。破毀院2013年6月19日判決(625号)

リヨンにある住宅保険会社「Lyonnaise de garantie」。
Google検索で「Lyonnaise de g」と入力すると、詐欺師やペテン師を意味する「escroc」という単語を含む検索候補「lyonnaise de garantie escroc」が表示され、これが名誉毀損にあたるとして、サジェストの削除と損害賠償を求めた裁判です。

パリ控訴院(高裁)は、サジェストによって表示されるキーワードはGoogleが採用しているアルゴリズムの結果であってGoogleの意思が介入しているとして損害賠償を認めましたが、破毀院(最高裁)では、サジェストの表示は自動的で偶然によるものであって、検索補助のための機能以上のものではないとして、控訴院の判断を差し戻しました。

東京高裁の判決!「Googleサジェスト」名誉毀損に当たらない

グーグルの検索サービスで、名前と犯罪を連想させる単語が一緒に表示されるため名誉を傷つけられたとして、日本人男性が米グーグル本社を相手取った訴訟の控訴審で、東京高裁(鈴木健太裁判長)は15日、同社に表示停止と30万円の賠償を命じた1審判決を取り消し、原告側の請求を棄却する判決を言い渡した。

原告の代理人弁護士によると、昨年4月の1審・東京地裁判決は、同社による名誉毀損とプライバシー侵害を認めたが、高裁判決は、「単語だけで男性の名誉が傷つけられたとは言えず、男性が被った不利益は、表示停止でサービス利用者が受ける不利益より大きくはない」などと判断したという。2014年1月15日

検索候補を自動的に表示してくれるサジェスト機能。ここに犯罪を連想させるキーワードと個人名が一緒に表示され名誉を傷つけられたとして、日本人男性がGoogleを相手に訴訟を起こし、一審ではGoogleに当該サジェストの表示停止と賠償が命じられましたが、控訴審では棄却されGoogleが逆転勝訴する事件がありました。

高裁の判断はこうでした。

「個人名と特定の単語を自動取得したものを並べるだけでは名誉棄損には当たらない」

 

日本では、Googleサジェストによって犯罪行為と特定の個人が結び付けられ、名誉を毀損されたとする訴えに対して、差止仮処分が認められた事例がありましたが、東京高裁では、その判決を一転、原告の請求を棄却する判決を言い渡しました。

個人名と単語を自動取得したものを並べるだけでは名誉毀損に当たらない、という主張を認める形となりました。

確かにサジェスト機能そのものは検索者の利便性向上に資するものですが、悪用による実害が生じているという現実に、Googleはいつまでも目を背けてはいられないでしょう。

Googleはサジェストに表示する単語を自動取得とは言いつつも、一定の検閲は行っています。Googleが公序良俗に反すると判断したサジェストは意図的に削除しているからです。

この判決結果が正当化されると、嫌がらせ目的のサジェスト汚染が合法ということになり、Googleのサービスにより誹謗中傷や風評被害が発生しても誰も取り締まりできないということになりかねません。近年ますますGoogleサジェストの削除は難しくなっており、サジェスト汚染による被害は深刻化しています。

ECで検索結果に対する削除命令は出始めた

しかし、その後、大きな変化をもたらす判決が出ています。Googleサジェストに対してではありませんが、検索結果の削除命令を出す判決がEUでありました。

欧州連合(EU)の最高裁判所に当たる欧州司法裁判所(ECJ)が2014年5月に米グーグルに対して行った判決(関連記事:「Googleは個人情報へのリンクを削除する責任あり、欧州司法裁の判決」)。

日本でも、検索結果に対する削除命令が出ています。

Googleで自分の名前を検索すると過去に犯罪行為をしたかのように連想させる投稿記事が表示されて人格権が侵害されているとして、日本人男性が米グーグルに検索結果の削除を求めた仮処分で、東京地裁は2014年10月9日に検索結果の一部を削除するよう命じる決定をした。(「EU判決と同じ主張認められた」Google検索の削除命令で男性側代理人

裁判の結果が今後、Googleサジェストの名誉毀損に対しても、影響を与えるかもしれません。今後の動向が求められます。

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